こうちミュージアムネットワーク研修会
県立牧野植物園開園50周年記念「五台山花絵巻」文化施設関係者向け見学会
日時  平成20年6月27日(金)15:00〜16:30
場所  牧野植物園
講師  宮下けい子 氏

平成20年度見学会第2弾として、高知県立牧野植物園開園50周年記念「五台山花絵巻」見学会に参加しました。
園内に入ってまず目に入ったのは、「入場者10万人突破」の看板。この特別企画展開催中だけの入園者数というのに驚かされました。後で聞いたお話によると、昨年同時期の2倍にあたる数とのこと。いかに県民の注目度が高かったかがうかがえます。

園内を案内してくださったのは、学芸員の宮下けい子さん。まずは、宮下さん自身が担当された企画展「日本の花」について解説いただきました。日本の伝統園芸の花を展示紹介するにあたり、牧野博士がタイムスリップして過去の園芸家に話を聞いていくというストーリー仕立てとし、親しみが持てるような展示構成になっていました。その他にも、牧野博士がデフォルメされたキャラクターになっていたり、プロジェクターで本をめくる演出を投影していたりと、展示品だけでなく空間そのものを楽しめるような工夫が随所に凝らされていました。

その後、南園に移動しつつ、公園管理についてのお話をうかがいました。
園内では、職員が出張先で手に入れて植えた種が育つこともあり、希少種がさりげなく咲いていることもあるそうです。うまく根付くこともあればその逆もあり、園内植物の全容を把握するのは難しいとのこと。植物にはできるだけ解説プレートを立てて観覧者にわかりやすくしているものの、数が多すぎてなかなか追いつかないのが現状、という話に、広大な園の管理の大変さを実感しました。園内のプレートは職員の手作りのものも多く、中にはハートマークを使った可愛らしいデザインのものがあったり、職員とボランティアの手で展望台が作られていたりと、様々なところで、「人の手」によって支えられている植物園だとしみじみと感じました。